
なぜリップ&チークは難しいのか?担当者が直面する「技術の壁」と解決策

現在、化粧品市場では「ミニマリズム」や「時短」が定着し、一つのアイテムで複数の役割を果たすマルチユースコスメの需要が急増しています。特に「リップ&チーク」は、ブランドのラインナップを広げ、新規顧客を獲得するための戦略的アイテムとして注目されています。
しかし、いざ自社での開発・製造を検討すると、単一カテゴリーの製品にはない「特有の壁」に突き当たることが少なくありません。本コラムでは、中堅メーカー様が直面しやすい技術的な課題とその解決策を掘り下げます。
1.リップ&チーク開発を阻む「3つの技術的障壁」

既存の口紅やチークのノウハウがあれば、その中間を作るのは容易に思えるかもしれません。しかし、実際には「二律背反」する機能を一つの容器に閉じ込める、極めて繊細な設計が求められます
① 唇と頬、異なる皮膚構造への同時最適化
最大の壁は、部位によって求められる機能が真逆である点です。
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唇: 粘膜に近く、強力な「保湿感」と、落ちにくい「密着性」が求められます。
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頬: 広範囲に塗布するため、ベースメイクをヨレさせない「サラサラ感」と、ムラなく広がる「伸びの良さ」が求められます。
この「高粘度オイル(潤い)」と「低粘度・揮発性オイル(密着・サラサラ)」をどの比率で配合するか。この黄金比の設計こそが、製品の成否を分ける最初の難所です。
② 経時変化による「品質の安定性」
多量のオイルと色材を安定して保持し続けるのは、実は非常に高度な技術です。 特に中堅メーカー様からご相談が多いのが、「試作段階では完璧だったが、量産化すると数ヶ月で表面にオイルが浮き出る(汗かき現象)」や「色材が沈殿して発色が不安定になる」といったトラブルです。全国の店頭や配送過程での温度変化に耐えうる処方をゼロから構築するには、膨大な時間と試験データが必要となります。
③ 製造ラインの特殊性とコスト
リップ&チークは、そのテクスチャーゆえに充填工程が非常にデリケートです。 気泡が入らないような精密な充填、表面を美しく仕上げるための温度管理、そして急速冷却のプロセス。これらを既存の粉体ラインや口紅ラインの転用で行おうとすると、歩留まりが悪化し、結果として1品あたりの製造コストが跳ね上がってしまうリスクがあります。
2.ブランドの信頼を守る「外注戦略」という選択

これらの壁を自社設備だけで乗り越えようとすると、開発期間の長期化や、発売後の回収リスクを抱えることになりかねません。そこで有効なのが、実績豊富なOEMパートナーとの共創です。
当社では、長年市場の第一線で愛され続けている「国民的ロングセラー商品」をはじめ、数多くのマルチユースアイテムの製造を支えてきました。
「証明済み」のベース処方の活用
当社には、厳しい安定性試験をクリアした、使い心地の良いベース処方が豊富に蓄積されています。これらを貴社のブランドコンセプトに合わせてカスタマイズすることで、開発リスクを最小限に抑えつつ、スピーディーな市場投入を可能にします。
「感覚」を形にする技術力
「スフレのようなふんわり感」や「指で触れた瞬間のとろけ具合」など、言葉にしにくいニュアンスを、確かなオイルバランスの調整によって具現化します。
3.結論:技術の「隙間」を埋めるパートナーとして

リップ&チークは、シンプルに見えて非常に奥が深いアイテムです。重要なのは、すべての工程を自社で抱え込むことではなく、確実な品質を、機を逃さず市場へ送り出すこと」ではないでしょうか。
自社製造の限界を感じた時、あるいは一歩先のクオリティを目指す時。当社の技術力と製造設備を、貴社の「資産」としてぜひご活用ください。



